長野県松本市で「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
暑い今年の夏も8月中旬、いよいよ明日からお盆です。前回のブログでは、「お盆の帰省を利用して家族で相続対策の話し合いを」という内容で投稿させていただきましたが、今年のお盆には、普段離れて暮らす家族(父母や兄弟、甥姪など)と会う機会はありますでしょうか。
お盆は、ご先祖様を自宅にお迎えして供養する日本の夏の風習です。今回は、お盆に考える死後の費用感について考えていきます。
2024年8月4日付けの日本経済新聞電子版に「死後の費用、目安知る 葬儀・墓・遺品整理で230万円超」という記事が掲載されていました。
葬儀やお墓にかかるお金は?
最近は、墓石の代わりに木や草花を植えた墓地に埋葬する樹木葬を利用する人は広がっているようです。
現代は、年間160万人近くの人が亡くなる多死社会。生まれる人の人数も年々減少が続き、少子多死の傾向が強まっています。
亡くなる人が増えるということは、家族の死に直面する人も増えるということになります。
当該記事によれば、現在は墓の購入、葬儀、遺品整理の合計で平均230万円以上かかるということのようです。
家族を亡くした人がまず最初に考えるのが葬儀になります。
葬儀にかかるお金としては
①斎場や火葬場の利用料、祭壇やひつぎなど葬儀一式にかかる基本料金
②通夜や告別式の料理などの飲食費
③参列者へのお礼の品物の返礼品
④寺や僧侶に渡すお布施
などになります。葬儀の規模が大きいほど高くなり、小さいと安くなる傾向です。
葬儀費減少、式の簡素化が影響
終活関連サービスの鎌倉新書が2022年3月から2024年3月の期間に喪主を経験した2000人にアンケートしたところ、上記①~④の4つの費用の合計は平均141.4万円となりました。
この調査は2年に一度実施し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けた前回(2022年調査)よりも約8万円増えています。
しかし、合計で200万円を超えた2020年以前に比べると減少しています。
減少の理由として、少人数で見送る簡素な式の増加が考えられます。
葬儀の種類で見ると、通夜と告別式で2日かける通常の葬儀では、多くの人に参列してもらう「一般葬」が減り、家族や親戚などに参列者を絞る「家族葬」が増加しています。
また、通夜をなくして告別式だけの「一日葬」、通夜も告別式もせず火葬だけをする「直葬(火葬式)」なども増えています。
墓石の販売や葬儀などを手掛けるメモリアルアートの大野屋(東京都立川市)には電話やメールの相談が年2万8000件程度寄せられるそうです。
葬儀関連では、以前は故人の家族から式の段取りを知りたいという連絡が多かったといいますが、現在は生前に親自身が自分の葬儀で問い合わせしてくることが多いということです。「目立つのは家族葬や直葬、一日葬などコンパクトな葬儀の内容や費用の相談。子に迷惑をかけたくないという理由が多い」と同社コンタクトセンターの尾崎一郎所長は話しています。
亡くなる人のうち大きく増えた年齢層は80代後半や90代となりますが、「高齢で亡くなると親戚や知人も高齢になり葬儀の参列者は少なくなる。多くの人が一堂に会するような式は必要なくなり、小規模な家族葬が主流になった」と終活に詳しい専門家は説明しています。
樹木葬や納骨堂、子の負担少なく
それでは次に、墓の費用はどんな感じなのでしょうか。
掲載記事によりますと、今年1月に妻を亡くしたAさん(70)は自宅から車で20分とほど近い東京都内の寺院の一角にある「樹木葬」を購入したそうです。
樹木葬の方法は、粉骨した遺骨を円筒型の容器に入れて、木や花で飾られた区画に埋めるのだそうです。埋めた場所を示す小さなプレートがあるだけで墓石は存在しません。
「子がいないので跡継ぎ不要の樹木葬を探した。いずれ自分も入るが、寺がずっと供養してくれる」とAさんは話しています。
配偶者に先立たれた人たちの「没イチ会」を主宰しているシニア生活文化研究所代表理事の小谷みどりさんは「最近の墓を選ぶ際の条件は安・近・楽(らく)」と指摘しています。「安・近・楽」とは、「値段が安い」「家から近い」「管理や継承が楽」の3つの条件で、都市部の霊園や寺院の一角で増えている樹木葬はこれらの条件を満たしているといいます。
樹木葬の相場は区画使用料、埋葬料などを含め計15万〜80万円で、主に購入時に払う仕組みとなっています。鎌倉新書によれば樹木葬の平均価格は63.7万円となっており、スペースが小さく墓石代がほとんどかからないので安価だといいます。
室内に遺骨を安置する「納骨堂」も平均価格は80万円前後。大半が屋内にあり、遺骨がロッカー式の棚に安置されていたり、参拝する場所に自動で運ばれてくるタイプなどがあります。駅近など便利な立地が多く、お参りしやすい点も特徴です。
「○○家の墓」などと墓石に刻む従来型の「一般墓」は減少傾向となっているようです。
お墓を建てるときに墓石代と工事代、「永代使用料」という土地使用権の購入費がかかり、石を多く使う分、平均価格は149.5万円と高くなっています。
永代使用とは墓を引き継ぐ人がいる限り利用できる仕組みで、子どもたちなど承継者は毎年管理料を払って、掃除など墓の手入れもすることになります。
一般墓と違い、樹木葬や納骨堂は、引き継ぐ人がいなくても寺院や霊園が管理・供養してくれる「永代供養」の形式をとっています。
子がいない人や子がいても墓の管理を負わせたくないという人が利用しやすく、子らが年間管理料を負担せずに済むところも増えているようです。
先祖代々のお墓があるなど、すでにお墓を持っているのであれば必要なのは納骨費用ぐらいで、平均価格ほどはかからないことが多いといいます。
遺品整理にも目配り
ひとり暮らしの親が亡くなった場合は、遺品の片付けが遺族の負担になりやすいといわれます。持ち家なら急ぐ必要はありませんが、賃貸物件だと早く片づけないと家賃がかかり続けることになります。遺族自体も兄弟など高齢になり、専門の業者に依頼するケースが増えているといいます。
「遺品整理の平均価格は一軒家だと30万〜40万円、マンションだと20万〜30万円程度」と話すのは、主に関東・関西・中部で年間6000件程度の遺品・生前整理をするリリーフ(兵庫県西宮市)の赤沢知宣社長です。
不用品が多ければ100万円を超えることもあることから、しっかりと見積もりを取り、作業の説明を聞いてから依頼することが肝心です。
また、住む人がおらずに空き家になった家は解体する場合もでてきます。
解体業を手掛けるクラッソーネ(名古屋市)によれば「費用は構造で変わり、木造は1坪(3.3平方メートル)あたり4.5万〜6.5万円、鉄骨は同5万〜8万円」と説明しています。
地域や家の密集度合いでも異なり、例えば東京23区で木造2階建て延べ床面積100平方メートルの家を解体すると、住宅密集地で220万円、非密集地では190万円程度かかるということです。
お盆の機会に、葬儀や墓などはどんな形式がよいか、費用は誰が負担するかなどを「じっくり考えてみる」「親子などで話し合っておく」ということも有効になりそうです。
相続対策のご相談はディアパートナー行政書士事務所へ
当職は、成年後見制度の成年後見人として「財産管理」や「死後事務委任」などを行っている実績もあります。そうした経験から生前整理、死後事務などのご相談に真摯に対応させていただいております。
ディアパートナー行政書士事務所では、一般社団法人日本リレーションサポート協会(※)と連携し、「みらいリレーション長野松本」「リレーションサロン長野松本」として「身元保証」や「死後事務委任」などに対応しています。相続対策全般についてもお気軽にご相談ください。
※一般社団法人日本リレーションサポート協会は、行政書士法人、司法書士法人などが母体の一般社団法人であり、おひとり様向けサポートの取組みも長く、また全国各地に実績多数です。
生前の相続対策や認知症対策、投資の終活を含めた終活活動全般のお悩みのご相談は「ディアパートナー行政書士事務所」にお任せください!
ディアパートナー行政書士事務所
電 話:0263-34-6163
Yorumlar