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  • takizawa62

まだまだ元気な親、どうしたら今から家族信託を準備できる?

更新日:2023年1月29日

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。



事務所が業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社の運営する家族信託Web「スマート家族信託」コラムを参考に、家族信託や生前の相続対策について考えていきます。


○トリニティ・テクノロジー株式会社運営Web「スマート家族信託」↓



今回は、一般的な家族信託の組成を検討する際、よく出てくる疑問について考えていきます。


父の財産を管理するため、父から息子に対し信託してもらうというケースはごく一般に考えられるケースです。このとき、お父様がまだまだお元気な場合、家族信託の組成が前に進まなくなる場合があります。そう、お父様が「うん」と言って納得してくれない場合などです。


家族信託を組成すると、不動産の登記名義が父から息子に変わることになりますし、金銭なども、信託用とはいえ、受託者である息子さんの口座(信託口口座など)に送金しなければいけませんので、いざ「やろう」となると、お父様から「待った」が入ってしまうんですね。


まだまだ元気なお父様からしたら、「息子はまだ頼りない、俺の目が黒い内はまだまだ・・・」という気持ちが出てきてしまうわけです。

ただ、「何があるかわからない」のもまた事実で、それはまた、悩ましい状況が続くことにになってしまいます。こんな状況を打開する方法として、「停止条件付家族信託」 が活用できます。


「停止条件付」ってなに?


まず、家族信託の「停止条件付」契約について簡単にご説明します。


停止条件付契約とは、「ある一定の条件(停止条件)を満たせばその効力が発生する契約」 のことを言います。

例えば、贈与契約を例にしてみると、「資格試験に合格したら、車を1台あげるよ」といった契約が、停止条件付契約になります。


この場合の停止条件は「資格試験に合格する」です。所定の条件が成立するまでの間、契約の効力を停止させるという意味から、停止条件付契約というのです。

この停止条件を、お父様が元気なうちの家族信託契約に応用すると、お父様が元気なうちは信託契約の効力発生を停止しておいて、いざとなったときにはじめて家族信託の効力が発生する、という契約が作れるのです。


この形であれば、早めに家族信託をやっておきたい息子さんと、自分が元気なうちは家族信託をやりたくないお父様の両方の希望に沿うことができます。

つまり、今回の家族信託のケースでは、「認知症による判断能力の低下」を条件に、信託契約が効力を発するように設計することになります。


停止条件を付ける際の注意点


停止条件付の家族信託するときは、注意点があります。それは、停止条件の成就が明確になるような条件にしておく、ということです。

例えば、上記のように「認知症による意思能力の低下」とそのまま契約書に記載してしまった場合には、どの程度意思能力が低下した時なのか判然とせず、当初意図していたタイミングでの効力発生ができなかった、という事態に陥りかねません。


したがって、停止条件付の家族信託契約を締結する場合には、その停止条件の定め方を慎重に検討する必要があるのです。

例えば、「医師から後見相当または保佐相当であるという診断を受けたとき」、「要介護認定を受けたとき」等が考えられます。


条件の定め方は自由ですので、親子間で合意が取れるのであれば、「契約から3年を経過した日」、「委託者(お父様)が書面によって家族信託契約の効力を発生させたい旨の意思表示を受託者(息子さん)にしたとき」といった定め方も可能です。


複数の条件のいずれかが成就した時、として、いくつかの条件を定めておくことも可能です。お父様が納得する条件を決めることができれば、家族信託の手続きもスムーズに進めることができるでしょう。


「停止条件」の落とし穴に要注意


停止条件付信託は委託者候補者が元気なうちに信託を進める方法としては非常に優れていますが、実際に停止条件が成就した時の手続きの部分をしっかりと考えておかないと、後々大変なことになります。


例えば、家族信託の対象財産に不動産が含まれている場合、家族信託の効力が発生した際(停止条件が成就した際)に、信託した不動産に関して信託の登記の手続きをする必要があります。

しかし、停止条件を委託者の意思能力喪失としていた場合、家族信託の効力発生時には委託者は意思能力を失っていますので、登記の手続きができない、という問題が発生してしまいます。

この場合、委託者に成年後見人をつけて登記手続きをするしかありません。


成年後見制度の利用を避けるために家族信託を利用したのに、実際に効力を生じさせるためには後見制度の利用が必要となると、本末転倒です。

このような状況になってしまうことを避けるために、停止条件付の家族信託をする場合には、併せて任意後見契約も締結しておきます。


任意後見人に、信託財産の登記に関する権限を付与しておけば、家族信託の効力発生と併せて任意後見の効力も発動させることで、任意後見人が本人に変わって登記の手続きを進めることができますので、成年後見制度を利用せずに済むことになります。


とはいえ、任意後見も後見制度の一種であり、家庭裁判所や任意後見監督人という第三者の介入がある制度ですし、任意後見監督人への報酬も発生するので、できれば任意後見の利用も避けたいところです。


そのためには、停止条件の内容を、意思能力喪失のタイミングよりもかなり手前(例えば、要支援1の認定を受けたとき、委託者と受託者が、委託者の状況を鑑みて協議の上合意した時、など)に設定しておくことが考えられます。

これを実現するためには、委託者である父親の理解をどこまで得られるかがポイントになることは言うまでもありません。


まとめ


いくら認知症対策だといっても、まだまだお元気なお父さんにとっては、不動産などの名義を息子に移してしまうことには抵抗があるものです。そんな場合には、ぜひ「停止条件」を付けることも検討してみるとよいでしょう。


今回いくつか停止条件の例を提示しましたが、実際にはいくつかの条件を組み合わせ、かつ、委託者が意思能力を喪失する前の段階で、かつ委託者が納得するタイミングを条件とできるように打ち合わせを重ねていくことがポイントになります。

注意事項としては停止条件付家族信託の落とし穴にはまらないよう、できるだけ専門家に相談しながら内容を検討されることをお勧めします。


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新しい財産承継の手法や認知症対策として注目を集める「家族信託」ですが、親が認知症を発症し、判断能力が低下した場合には、家族信託の利用が難しくなります。できるだけ早い段階で詳しい専門家に相談しておくことが重要です。


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