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  • takizawa62

家族信託と成年後見の違いは?どちらを使うべき?

あけましておめでとうございます!「家族信託」に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。本年もよろしくお願いいたします。

業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社(トリニティグループ)の文献を参考に、家族信託について投稿していきます。


高齢者の財産を本人以外が管理する方法には、家族信託と成年後見があります。しかし、多くの人が、この2つの制度の違いを正確に理解していないのが現状です。

ここでは、家族信託と成年後見の違いや使い分けについて、2回にわたって詳しくご説明いたします。


家族信託は、成年後見に比べて手続きが簡便なことから、最近注目されるようになっています。

家族信託とは、文字どおり「高齢者が自らの財産を家族に信託すること」です。

「信託」とは、第三者に自分の財産を預けて管理してもらう、あるいは、運用してもらうことです。ここでいう「運用」とは、不動産を賃貸して収益を得ることや、金融商品を保有して配当や利子を受け取ることです。


以上をまとめると、家族信託とは、高齢者が自らの意思によって、自分の財産を預ける制度のことを言います。

高齢者の財産を預かった家族は、自らの責任によって、管理や運用を行わなければなりません。


成年後見は、高齢者の財産を、家庭裁判所の監督のもとに第三者に管理してもらう制度です。

管理する人は弁護士や司法書士などの専門家であるため、基本的に安心して任せることができますが、まれに使い込み(横領)などのトラブルが発生することがあります。なお、高齢者の保有している財産が少ない場合には、親族が後見人となれる場合もあります。)


この家族信託という制度は、「改正信託法」が施行された2007年(平成19年)から本格的に始まったものです。

この制度を利用することで、家族が高齢者の財産を管理したり、高齢者が亡くなった後、遺産をスムーズに相続人へ引き継いだりすることができるようになりました。


家族信託のメリットは、大きく分けて3つあります。


家族信託のメリット➀手続きが比較的簡単

まず1つ目、手続きが比較的簡単なことです。


成年後見制度は、裁判所に対して申請を行ったり、高齢者の財産を管理する人(後見人)を選んだりするなどの手続きを全て家庭裁判所が行います。しかも、後見人の選任申立て手続きはかなり煩雑で、提出書類も多くあります。

しかし、家族信託では、基本的に財産の管理を依頼する高齢者と管理を引き受ける人が合意した上で、契約書を作成すれば、成立します。

つまり、家族信託は、成年後見制度と比較して、手続きが簡便であり、依頼する人と引き受ける人の負担もかなり軽いということになります。


家族信託のメリット➁報酬が不要

2つ目は、報酬が不要な点です。


成年後見制度では、後見人は業務として高齢者の財産を管理するため、報酬が発生します。しかも報酬額は、後見人と被後見人(財産を預ける人)の間で勝手に決めることはできません。

報酬額は家庭裁判所が決めることになっており、決定した報酬金額どおりに支払わなければなりません。

しかし、家族信託は、報酬は基本的に発生しません。それによって、高齢者の財産の減少を最小限に食い止めることができます。


家族信託のメリット➂委託者が自分の財産を把握できる

そして3つ目は、家族信託の契約を行った後でも、高齢者は自分の財産を把握できることです。


成年後見制度は、基本的に被後見人が認知症などで判断能力が著しく低下した状態で、第三者である後見人に自分の財産を預けます。

従って、高齢者は自分の財産が、現在どのような状態になっているか、自分自身で把握することが難しくなります。


これに対して、家族信託は、依頼する高齢者と受諾する家族が契約を結んだ時点で、財産の管理が始まります。

つまり、高齢者は自分の財産を把握した状態で信託がスタートすることとなるのです。

従って、成年後見制度と違い、知らない間に財産が使い込まれていたという事態も起こりにくいと言えます。 ただ一方で、家族信託にもいくつかの欠点があります。


家族信託の欠点➀

まず1つ目は、身上監護ができないことです。


成年後見制度では、後見人が被後見人の代理人となって、契約を結ぶなど法的行為の代理を行うことができます。

高齢者が認知症などにより、施設入居などが必要となった際、後見人は本人の代理人として手続きを行うことができますが、家族信託の受託者では、それはできないのです。


ただ、家族信託の受託者は本人の家族になりますので、家族が本人に代わって行える手続きであれば、家族信託でも問題にはなりません。(本人しかできない手続としては、銀行預金の送金や有価証券の売買、自動車や不動産の売買などがあります。)


家族信託の欠点⓶

2つ目は、財産を管理する人(受託者)を選ぶ際に、紛糾する可能性があることです。


家族信託は、財産を持っている人(委託者)と受託者が合意することで成立します。

従って、手続きは成年後見制度に比べて、かなり簡便です。

しかし、家族信託では、委託者の財産が受託者の名義に変わるので、受託者以外の家族は、「(受託者が)使い込むのではないか」という疑心暗鬼に陥る可能性があります。


一方で、成年後見制度は、家庭裁判所が後見人を選任しますから、他の家族からの不信感が起きにくいのです。

また、家族信託の場合は、当事者間(委託者と受託者)の合意だけで成立するので、他の家族が知らない間に、家族信託の契約が成立していたという事態が起こる可能性もあるのです。


以上、次回に続きます。


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