検索
  • takizawa62

家族信託と成年後見の違いは?どちらを使うべき?(2)

更新日:1月4日

みなさん、こんにちは!「家族信託」に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社(トリニティグループ)の文献を参考に、家族信託について投稿していきます。

高齢者の財産を本人以外が管理する方法には、家族信託と成年後見があります。しかし、多くの人が、この2つの制度の違いを正確に理解していないのが現状です。

ここでは、家族信託と成年後見の違いや使い分けについて、前回に引き続き詳しくご説明いたします。


成年後見とは?

ここからは、成年後見について詳しく解説をしていきます。


成年後見とは、家庭裁判所によって選任される後見人が、認知症などによって判断能力が著しく低下した高齢者に代わり、その高齢者の財産を管理したり、身上監護したりする制度です。

財産管理とは、本人(被後見人)のために、被後見人の財産の維持・管理を行ったり、遺産分割協議、相続手続きを行ったりする業務、あるいは保険金を請求して受け取る業務のことです。

身上監護とは、被後見人に面会し、被相続人の心身、生活状況を把握したり、被相続人が自ら住む場所を決める際の意思決定を支援したり、あるいは被後見人の医療、介護、福祉に関する手続き業務を行ったりすることです。


家族信託は、高齢者本人の意思で、自分の財産の管理を家族に依頼することですが、成年後見は、本人が認知症などで判断能力が著しく低下した際に、財産の管理や身上監護を採算者が行うことです。


また、この成年後見制度には2通りの方法があります。


法定後見制度

1つ目は、法定後見制度です。 この法定後見制度が、一般的に成年後見制度と呼ばれている制度です。

この制度は、本人(被後見人)に判断能力が著しく低下した後に、本人、配偶者、4親等内の親族が、家庭裁判所に申立てるものです。

本人(被後見人)は物事を十分判断できなくなっているので、医師の診断書が必要です。


また、この診断書は一般の病院が発行するものではなく、家庭裁判所から「成年後見」専用の診断書を入手し、医師に作成してもらうことになります。 そして、本人(被後見人)が住んでいる住所を管轄する家庭裁判所に対して、成年後見の申立書、診断書、手数料などを提出します。

その後、家庭裁判所で審問・調査・鑑定が行われます。


それから、家庭裁判所は、後見の開始の審判を行い、後見人を選任します。この決定に不服申立がなければ、後見人が審判書を受け取った2週間後に、成年後見が確定します。

もし、本人、配偶者、4親等内の親族(申立人以外)が、審判について不服があれば、審判書を受け取った2週間以内に、不服申立を行わなければなりません。


任意後見制度

2つ目は、任意後見制度です。 任意後見制度は、法定後見制度と異なり、本人(被後見人)に十分な判断能力がある期間に契約を結ぶものです。


具体的な契約の内容は、本人(被後見人)自らの判断能力が不十分な状態になった時に、自分の生活、療養看護、財産の管理などの手続きに関する代理権を代理人与えるというものです。

この代理権は、生活、財産など本人の生活において極めて重要な内容を含みますので、任意後見契約は「公正証書」を作成しておかなければならないとされています。


代理人(後見人)については、特に制約はなく、任意の相手と契約をすることができます。

この点が任意後見という名称がついている所以です。 親族を任意後見人とするほか、弁護士、司法書士、行政書士など、法律専門職の人やNPO法人などの専門機関に依頼するパターンもあります。

この任意後見は、いわゆる「成年後見」とは大きく特徴が異なりますので、成年後見とは別物として理解しておきましょう。


家族信託と成年後見の違い

ここからは、家族信託と成年後見(法定後見)の違いをいくつかのパターンで比較してみます。


まず、できることとできないことについてまとめます。


家族信託でできて、成年後見でできないこと

・任せる相手方を自由に選ぶこと

・本人の死後の財産の行方について、あらかじめ決めておくこと(遺言的機能)

・任せる権限を細かく設定すること(財産雄売却は委託者の同意がなければできない、などの定めを置くこと)


成年後見でできて、家族信託でできないこと

・本人の代理人として法律行為(訴訟等)を行うこと

・本人の代理人として、銀行の手続き等を行うこと

・本人が行った法律行為を後から取消すこと

成年後見人は、本人が行った法律行為で、日用品の購入等以外の行為について、取消しができる権限を持っています。

つまり、詐欺などに遭って大きな買い物などをさせられてしまった場合に、後見人がその買い物をなかったことにできるということです。


次にメリットとデメリットについてまとめます。


家族信託のメリットとデメリット

メリット

・契約内容を工夫することで自由な財産管理が可能

・遺言の機能を持たせることができる

・委託する相手を自由に決められる

・手続きが比較的簡単

・受託者に報酬を支払わなくてもよい

・委託者が財産を把握したうえで管理を任せられる


デメリット

・成年後見のように本人の代理人とはなれない

・親族間で自由に行えるため、親族間の揉め事に発展しやすい


成年後見のメリットとデメリット

メリット

・後見人が本人の代理人となってあらゆる手続きや法律行為を行うことが可能

・本人の行為について取消権を有するため、詐欺被害などを回避できる


デメリット

・手続きが煩雑である

・成年後見人を自由に決められない

・成年後見人に対して報酬を支払わなければならない

・本人のためにしか財産を活用できないため、資産の有効活用や相続税対策などができなくなる


制度利用に係る費用

費用については、次のような違いがあります。


家族信託の費用

(1)家族信託の内容決定や契約書作成、登記のために専門家に支払う費用 おおむね信託する財産の1%程度(最低金額として30万円程度という設定がされている場合が多い。)


(2)不動産を信託する場合には、登録免許税 不動産の固定資産評価額×0.4% (5000万円の不動産なら20万円)


(3)公正証書作成手数料 5万円~10万円程度の場合が多い。


仮に現金2000万円と3000万円の不動産を信託したとすると、


(1) 専門家報酬(信託財産の1%)=50万円


(2) 登録免許税(不動産の評価額の0.4%)=12万円


(3) 公正証書手数料(概算)=5万円


合計 67万円


といったイメージになります。 (消費税や登録免許税の軽減措置など、細かい要素を省いています。あくまでイメージとしてご理解ください。)


成年後見の費用

(1) 成年後見の申立書作成手数料 15万円~30万円


(2) 後見開始後、後見人に支払う報酬 毎年年24万円~72万円程度 特筆すべきは、成年後見の場合、毎年後見人に報酬を支払わなければならず、これは本人が亡くなるまでずっと続くということです。


仮に、成年後見を開始してから5年後に本人がなくなり、その間の年間の報酬額が30万円だったとした場合、成年後見のトータルコストは、申立の手数料も含めると、180万円 にも上ります。


また、後見人の報酬は本人の保有している財産額に応じることとなっており、仮に本人が500万円以上の現預金を保有していた場合には、年間の後見人報酬は72万円となり、5年間継続すると合計360万円、申立手数料も含めると390万円と非常に高額になる可能性があります。


利用のための条件

利用のための条件には、次のような違いがあります。


家族信託の場合には、信託財産の所有者について、判断能力に問題がないことが必要です。

一方で、成年後見の場合は逆で、本人に判断能力がない場合にしか利用することができません。

なので、例えば、本人が肉体的な問題で自力で生活ができなくなってしまった場合においては、成年後見制度を利用することはできないのです。


任務終了までの期間

任務終了までの期間については、次のような違いがあります。


家族信託では、契約の際に信託終了の理由を定めていれば、その理由に該当した場合に信託を終了することができます。

また終了理由の定めていなければ、委託者と受益者の合意によって終了ができます。


一方で成年後見の場合、制度上は、成年後見が必要な理由が解消したら終了するとされていますが、認知症によって成年後見が開始した場合には、通常、認知症から回復することはあまり考えられませんので、実質的には本人が亡くなるまで終了することができなくなります。


家族信託と成年後見の使い分け方は?

ここでは、どのような状況で家族信託と成年後見を使い分けたら良いか、ご説明いたします。


まず、高齢者が自身の財産管理に不安を覚えている場合を考えます。

この場合には、家族信託を利用することが適切です。 本人が自分の財産を心配している場合には、家族信託を利用すれば、今後の財産管理について、誰に任せていくか、どのように管理していくか、を本人の意思によって決定できるため、本人が本当に安心できる形での対策が取れるためです。


財産管理の不安に加えて、将来の生活についても不安がある場合には、任意後見制度を併用する方法もあります。

本人が、将来の生活についてのみ不安を覚えている場合には、任意後見制度の活用を検討します。

本人が認知症などによって意思能力を失ってしまっている場合には、成年後見制度を利用します。


意思能力を失ってしまっている以上、契約行為である家族信託や任意後見はもはや利用することができません。

したがって、考え方としては、成年後見しか利用できない状況になる前に、家族信託や任意後見制度の利用をしておく必要がないか、早い段階で検討しておく必要がある、という視点を持っておくことがポイントとなります。


なお、通常は、高齢の方の将来の生活を考えるうえでは、財産管理と身上監護はいずれ両方とも必要になるとも考えられますので、本人が仮にその片方しか懸念をしていなかったとしても、周りの親族は、それ以外の部分も視野に入れながら、今後の対策について検討していくのが良いでしょう。


まとめ

高齢者の財産を管理したり保護したりする方法には、家族信託と成年後見があります。


ただし、どちらの制度にもメリット、デメリットがありますので、2つの制度の内容を十分理解した上で、利用する必要があります。

押さえておくべきポイントは、成年後見の制度に頼る必要が出てきたタイミングでは、もはや家族信託は使えない、ということです。

したがって、家族信託の検討をする場合は、本人が元気なうちに、早めに着手をしていくようにしましょう。


ディアパートナー行政書士事務所では、国内有数の家族信託実績を有する企業と業務提携しながら作業を進めますので、安全安心な全国トップ水準のサービスをご提供することが可能です。アフターサポートも業務提携先と連携し、万全な体制で対応いたします。

お問い合わせや初回相談は無料ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。






2回の閲覧0件のコメント