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  • takizawa62

家族信託は認知症対策として最適?

みなさん、こんにちは。「家族信託」に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社(トリニティグループ)の文献を参考に、家族信託について投稿していきます。




現在日本は、世界でも類を見ない「高齢化社会」となっています。そこで、問題になってくるのが、今まで築き上げてきた高齢者の財産をどのようにして守っていくかということです。高齢者の財産管理としてよく知られている方法に、「成年後見制度」がありますが、近年では「家族信託」を利用する人が増えてきています。


この記事では、この「家族信託」という制度が、認知症対策にどれ位有効なのかについて、詳しく解説していきます。また、認知症発症後も家族信託の利用が可能なのかについても触れていきます。


家族信託とは

家族信託という言葉について、あまりなじみがない人は多いと思います。

「信託」と言えば、まず思い浮かぶのは、「投資信託」ではないでしょうか。投資信託とは、金融機関に自分の資産や財産を預けて運用してもらい、それによって利息や配当が生じた場合には、それを受取ることができる、というものですね。

つまり、「信託」とは文字どおり、第三者に自分の資産や財産を託すものです。そして、ここでご説明する「家族信託」とは、家族に自分の財産の管理を任せることを言います。


高齢者が財産を第三者に預ける制度としては、「成年後見制度」がよく知られていますが、この制度では、血縁関係などのない、全くの第三者に財産を預ける場合が多く、知らない間に使い込まれてしまうといったトラブルも発生しています。また、そんなリスクもあるにも関わらず、後見人(財産を預かる人)に対して、報酬を支払う必要もあるのです。

家族信託は、自分の家族や親戚に財産を託すので、いつの間にか使い込まれてしまうというリスクは少ないでしょう。また、財産を託す家族・親戚に対して、報酬を支払う必要もありません。


2007年(平成19年)に「改正信託法」が施行されて以降、この家族信託が注目されるようになりました。家族信託の利用により、高齢者の財産の管理と相続人へのスムーズな遺産の引き継ぎが可能になったのです。


なぜ、家族信託が注目されるようになったのか、そこにはいくつかの理由があります。


手続きが比較的手軽

まず1つ目は、手続きが比較的手軽な点です。

高齢者の財産管理である成年後見制度では、後見人の選任などの手続きを全て家庭裁判所が行うことになります。しかも、手続きが煩雑であり、提出すべき書類も多岐に渡ります。

しかし、家族信託の場合は、基本的に、財産の管理を依頼する人と、管理を引き受ける人の間で合意し、契約書を作成すれば、成立します。成年後見制度に比べて、手続きが複雑ではなく、依頼する人、引き受ける人の負担もかなり軽くなります。


管理する人への報酬がかからない

2つ目は、基本的に管理する人に対する報酬がかからない点です。

成年後見制度では、後見人には弁護士や司法書士といった専門家が就任し、あくまでも業務の一環として行うことが多いため、報酬が発生することになります。しかも、この報酬額は、当事者が勝手に決めることはできず、家庭裁判所が報酬額を決めて、そのとおりに支払わなければならルールとなっています。

しかし、家族信託の場合は、基本的に報酬のやり取りは発生しません。なので、財産の減少を最小限にとどめることができます。


自分の財産を引き続き把握・掌握できる

3つ目は、家族信託の契約を行った後でも、自分の財産を把握できることです。

成年後見制度の場合、被後見人(財産を預ける人)は認知症などで判断能力が著しく低下した状態で、後見人に託すことになります。なので、自分の資産・財産がどのような状態になっているかを、本人が把握していない状態で財産を託すことになるのです。

これに対して、家族信託の場合は、契約を結んだ時点で、財産の管理が始まることになるため、託した本人も自分の財産を把握することが可能です。つまり、成年後見制度と違って、いつの間にか、自分の財産が使い込まれていたという事態が起こりにくいこととなります。


ただ、家族信託にもいくつかのデメリットがあります。


家族信託のデメリットその1

まず1つ目は、家族信託で財産を預かった人(受託者と言います。)は、本人の法的な代理人ではない、ということです。

法的な代理人とは、例えば、未成年者に対する親の関係です。そして、成年後見人は、法的な代理人とされています。


これに対して、家族信託は、あくまでも本人の財産を管理するだけであり、法的な代理人の役目を担うことができません。なので、例えば、本人が加入している保険に関する情報の開示を保険会社に求めるなどの行為は、家族信託の受託者からはできません。


家族信託のデメリットその2

2つ目は、財産を管理する人(受託者)を選定する際に、トラブルが発生する可能性があることです。

家族信託は、財産を持っている人(委託者)と受託者の合意で成立するという便利な面がある一方、委託者の財産が受託者の名義に代わるということで、その他の家族・親戚から、「使い込むのではないか」といった疑心暗鬼が生じる可能性があります。

成年後見制度では、家庭裁判所が後見人をする選任するため、このようなトラブルは起きにくいですが、家族信託の場合、当事者間の合意だけで成立するため、他の家族・親戚が知らない間に、家族信託の契約書が出来上がっていたという事態が起こり得るのです。


何も対策をせずに認知症になってしまうとどうなる?

ここでは、何も対策をせずに、高齢者が認知症になった場合について考えてみましょう。

先程もご説明したように、家族信託という制度は、委託者と受託者の合意があれば成立します。その後で行う、契約書を作成する、委託者の財産を受託者の名義に変更するというのは、あくまでも手続き上のことであり、まず当事者間での合意が大前提となります。

しかし、家族信託に対して合意するということは、判断能力がなければ不可能なことです。従って、高齢者が認知症になり、意思能力・判断能力を失ってしまった場合には、家族信託という選択肢は消えてしまうのです。


そうなると、自ずと成年後見制度を利用することになります。

一言で成年後見制度と言っても、2通りの方法がありますので、まずは成年後見制度の種類をご紹介していきます。


任意後見制度

1つ目は、「任意後見制度」です。

この制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、任意の者に、将来後見人になってもらう契約を結ぶものです。具体的な契約内容としては、もし自分の判断能力が不十分な状態になった時に、自分の生活、療養看護、財産の管理などの手続きに関する代理権を与えるというものになります。

代理権は、生活や財産など、極めて重要なものになるので、「公正証書」を作成しておかなければならないとされています。誰を後見人にするかは、特に制約はなく、親族でもいいですし、つながりのある弁護士や司法書士などの専門家でも構いません。

これから説明する法定後見と異なり、後見人を誰にするかを自由に決められるのが任意後見制度の特徴です。


法定後見制度

2つ目は、「法定後見制度」です。

法定後見制度は、本人に物事を判断する能力がなくなった時に、本人、配偶者、4親等内の親族が、家庭裁判所に申立てることで利用できる制度です。

本人は物事を十分判断できなくなっていますから、申立の手続きには医師の診断書が必要になります。

本人の居住地を管轄する家庭裁判所に、申立書、医師の診断書、手数料などを提出した後、家庭裁判所で審問・調査・鑑定などが実施されます。

その後、家庭裁判所は、後見の開始の審判を行い、適した成年後見人を選任します。もしこの決定に不服申立がなければ、成年後見人が審判書を受領した2週間後に、成年後見人選任の審判が確定します。

本人が既に認知症になっていた場合には、2つ目の「法定後見制度」を利用することになります。


しかし、この法定後見制度は、以下のような特徴があるため、極力その利用を避けたい制度となっています。


〇後見人となる見ず知らずの第三者に、本人の印鑑や通帳、不動産の権利証などすべての財産を預けなければならない。


〇法定後見は一度始まると本人が亡くなるまで続き、その間、毎年24万円~数十万円の報酬を支払い続けなければならない。


〇親族は本人の財産を一切自由に触ることができなくなり、本人の財産の使い方についてはすべて後見人が決定することになる。


〇相続税対策ができなくなる。


法定後見制度は、悪徳業者などの被害から本人を守る点を重視して設計された制度であるため、財産の管理方法が厳格で、親族からすると非常に不便なのです。

かつ、後見人に対しては報酬を支払い続けなければなりませんので、金銭的にも好ましくありません。

※本人の財産が少ない場合には、親族が後見人となれる場合もあります。その場合には、後見人に対する報酬を発生させないことも可能です。

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