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認知症で預金口座が凍結されると?

更新日:2023年1月29日


みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。


当事務所が業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社の運営する家族信託Web「スマート家族信託」コラムを参考に、家族信託や生前の相続対策について考えていきます。


○トリニティ・テクノロジー株式会社運営Web「スマート家族信託」↓



最近よく雑誌やテレビなどで、認知症になってしまった方の預金口座が凍結されたという話をよく目にしませせんか?


いったい預金口座が凍結されてしまうと、具体的にはどうなってしまうのでしょうか?

この記事では、預金口座が凍結されてしまったどうなるのか、具体的に解説していきます。


認知症による預金口座の凍結とは


預金口座の凍結とは、キャッシュカードでの引出しや振込みによる出金ができなくなることをいいます。銀行等の金融機関との取引に制限がかかった状態です。


例えば、口座名義人が亡くなって相続が発生し、金融機関がそのことを知ると、預金口座は、全面的に凍結されます。


金融機関が口座名義人死亡の情報を得る方法は、遺族からの連絡が多いようですが、新聞のお悔み欄の活用など金融機関によって違うようです!


預金口座が凍結されると、その口座に入金することもできなくなりますし、引出しや公共料金等の自動引落としもされなくなります。


こうして口座が凍結されると遺産分割が確定するまで、遺族はその口座からの払い出しは基本的にできなくなります。


すぐに現金が必要な場合は払戻制度を


ただ、最近では金融機関が上限額つきながら、遺産分割協議より前に故人の銀行口座から現金を引き出せる「預貯金の払戻制度」を用意してくれています。


「預貯金の払戻制度」とは、各相続人の葬儀費用の支払いや当面の生活費のために、お金が必要になった場合に相続預貯金の払い戻しが受けられる制度です。


そもそも預貯金の払戻制度には、二つの方法があります。


一つは前述したとおり、金融機関で直接手続きを行うものです。引出額は一金融機関につき150万円が上限とされています。


もう一つの方法は、家庭裁判所で手続きを行うものです。これには引出額の金額に上限はありません。


金融機関での直接手続きは家庭裁判所を通さずに、直接銀行とのやり取りだけで進められるため、簡易的で費用がかからないというメリットがあります。


葬儀費用の支払いや当面の生活費のために、どうしてもお金が必要になった場合には、金融機関の預貯金の払戻制度を活用すれば、相続預貯金の払い戻しが受けられます。


口座名義人死亡の場合と違って、認知症による口座の凍結は、一部凍結といったイメージであり、上記のような相続発生時の全面的な凍結とは少し違います。


金融機関により、実際の取扱いは異なりますが、認知症による口座凍結の場合は、全面的に凍結されるというわけではなく、自動引落としやその口座に対する入金は、引き続き可能なことが多いです。


しかし、引出したり、振込みによる出金をするには、窓口に口座名義人本人が行ったり、金融機関の職員に自宅に来てもらったりして面談する必要があり、そこで口座名義人本人の意思が確認できなければ、引出し等を拒否されてしまうというものです。



認知症、どういう場合に口座が凍結?


口座名義人が認知症であると診断されたとしても、すぐに口座が凍結されるわけではありませんが、例えば以下の3つの場合など、何らかの方法により、金融機関にそのことが知られると口座が凍結されます。


①家族が不安に思って、積極的に認知症のことを金融機関に相談してしまった場合


②口座名義人が窓口に行き、手続きを行おうとしたが、その際に金融機関に知られた場合


③家族がATMで、毎日少しずつ限度額を引出していたが、金融機関に不審に思われ、連絡がきた場合


金融機関にばれないから大丈夫と思っていても、いざまとまった資金(定期性預金の解約など)のが必要となったときは、窓口での対応等が必要となり、引き下ろせなくなっていまいます。


凍結されたら、どうすれば解除できるの?


認知症によって口座が凍結されてしまった場合でも、解除する方法はあります。


成年後見人の選任を家庭裁判所に申立てて、選任してもらえば、成年後見人が口座名義人の代理人として法的に正式に手続きを行うことができるようになります。


ただし、成年後見人は、その預金口座の凍結解除のためだけに選任するということはできず、一度選任されると、口座名義人本人の全財産について管理し、代理していくものとしてスタートし、原則として、途中でやめることはできません。


また、法律専門職が成年後見人や後見監督人に就任すればその報酬がランニングコストとしてかかってくるため、費用面でもリスクがあり、慎重な検討が必要です。


私は行政書士として、成年後見人や後見監督人に就任可能な研修を受けていて、そうした団体にも所属しています。


しかしながら、私のような専門家が後見人や後見監督人に就任した場合、認知症の方が死亡するまで報酬が発生しますし、家庭裁判所の関与などから財産の弾力的な運用はできませんので、成年後見制度を利用する場合は慎重な検討が必要と考えております。


では、ほかの対策は?


まず一つ目の方法として、各金融機関が、代理人登録といった制度を用意している場合があるので、その制度を利用するという方法があります。


代理人登録制度は、あらかじめ家族などの代理人となる人を本人が指定して届出をしておけば、その代理人が本人の代わりに引出しや振込み等の取引をすることができるとするものです。


このような制度のない金融機関もありますが、この制度を導入している金融機関であれば、あらかじめ届け出て登録した代理人であれば、振込み等ができるため一定程度は凍結の対策になります。


しかし、口座名義人本人が認知症になり判断能力がなくなってしまった後は、自由に代理人による振込みを認めないとする金融機関もあり、万全の対策とまではいえません。


二つ目の方法は、家族信託の活用です。


認知症になってしまう前に、金銭を家族信託して、受託者である家族に預けることができれば、凍結のリスクはなくなります。


新しい財産管理の手法として注目を集める「家族信託」ですが、判断能力のあるうちでないと契約を結ぶことができません。(任意後見契約も判断能力のあるうちでないと契約することはできません!)


したがって、判断能力を有する元気なうちに家族信託を組成しておく必要があります。


まとめ


認知症で、口座が凍結されてしまうと、まとまった資金の引出しはできなくなってしまいますので、早めに対策をとっておく必要があります。認知症になって、判断能力を失ってしまう前に家族信託をして、受託者へ金銭を移転しておきましょう。


また、認知症といっても軽いものから重いものまで程度があります。認知症だからといって、即、家族信託ができなくなるわけではありません(判断能力といった観点で判断していきます)。


とはいえ、万が一のことを考えると、判断能力があり気力も充実している早めに専門家に相談しておくほうがいいでしょう。


ご相談はディアパートナー行政書士事務所へ!


ディアパートナー行政書士事務所では、国内有数の家族信託実績を有する企業(トリニティグループ/トリニティ・テクノロジー株式会社)と業務提携しながら作業を進めますので、安全安心な全国トップ水準のサービスをご提供することが可能です。


また、アフターサポートも「スマート家族信託」を活用するなど業務提携先と連携し、万全な体制で対応することが可能です。


この「スマート家族信託」について、約90秒間で簡単にまとめた動画がありますので、ご覧ください。↓


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