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  • takizawa62

おひとり様・おひとり様予備軍への具体的なサポートは?


長野県松本市で「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。


一昨日「認知症・相続対策セミナー」を開催したところ、看護師として働いている方が参加されていました。お話をお聞きすると、実際の医療現場と相続法務との間のギャップを感じることが度々あり、興味を持たれて参加されたとのこと。大変熱心にメモを取られる姿が印象的でした。


10月開催のセミナーは「認知症・お一人様向けセミナー」とネーミングして、認知症対策とお一人様向けの対策をお話していきたいと考えております。


10月セミナーは、10月28日(土)10時~11時30分 長野県松本市勤労者福祉センターで開催予定です。(参加料1000円、事前予約制)


今回は、ご親族や頼れる方が身近にいない高齢者の方、いわゆる【お一人様】の具体的な対策を考えていきます。


身寄りのない高齢者 身元保証などのトラブル


2023年9月4日付朝日新聞の一面記事に『身寄りのない高齢者 身元保証トラブル』という見出しとともに関連記事が掲載されていました。


その記事によれば、身寄りのない高齢者、いわゆる高齢の“お一人様”の増加に伴い、入院・入所時の身元保証を引き受ける民間事業者のサービスにおいて、トラブルが相次いでいるということです。


「身寄りのない高齢者」には、独身の方やお子さんのいない夫婦で配偶者を亡くした方など、純粋に家族・親族がいない方はもちろんのこと、家族や親族はいるが疎遠になっていて、頼れる身内がいない方も含まれています。


トラブルが多発しているのは、身元保証に関するサービスだけではなく、老後の財産管理や死後の葬儀・納骨などの手続きを代行するサービスにおいても同様のようです。


利用する側である身寄りのない高齢者からみて、悪質な事業者を見極めることは難しく、また、本人の判断能力が低下してくれば、悪質なサービスであること自体が発覚しない可能性もあります。悪質な業者とのトラブルをどのように未然に防ぐかは、非常に悩ましい問題といえます。


一般論としては、信頼できる方からのご紹介が安心ですが、必ずしも大手企業と業務提携をしている事業者だから安心できるという訳でもないですし、悪質業者を取り締まったり優良業者を認定するような業界の仕組みも存在しないので、その点も問題を複雑にしています。



身寄りのない高齢者向けサービスは?


身寄りのない高齢者が老後とその先の相続を考え、老い支度をする場合に、法的な手段として考えられる施策は、以下の8つのサービスです。


(1)見守り契約

毎月1回など定期的に、電話をしたり自宅訪問をしたりして、高齢者が自宅で元気に独居生活ができているかを第三者(法律専門職や民間事業者)が定期的にチェックする(見守る)サービスの契約です。


(2)財産管理委任契約(管理委託契約、任意代理契約、金銭管理契約など)

本人に代わって、不動産や金銭の管理を行うサービスの契約です。賃貸不動産や空き家については、不動産業者に管理委託契約を交わして管理を任せるケースは少なくありません。

金銭については、任意代理契約や金銭管理契約、金銭預託契約といった名称の契約を交わすケースがあります。

本人名義の預貯金口座は、本人の判断能力が低下すると下ろせなくなるリスクがありますので、あらかじめ金銭を第三者に預けて預金凍結対策を図りつつ、将来想定される各種の支払いをあらかじめ依頼しておくものです。


(3)任意後見契約

本人が元気なうちに信頼できる後見人候補者(「任意後見受任者」といいます。法律専門職が多いですがNPO法人や民間事業者もできます。)との間で将来の後見人就任を契約でお願いをしておくものです。

本人の判断能力が低下した後、必要なタイミングで家庭裁判所の手続きをすることにより、受任者が正式に任意後見人として本人の財産管理や法律行為の代理、身上保護に関する権限を行使することができます。


(4)死後事務委任契約

家族・親族に代わって、葬儀・火葬・納骨・永代供養を執り行ったり、親友等に訃報の連絡などを第三者に依頼しておくものです。


(5)身元保証契約

入院や介護施設への入居手続きに際して求められる身元引受人を引き受ける契約です。

本来は、家族・親族が身元引受人として転院・退院・退所に伴う手続きを行いますが、家族・親族に代わって民間事業者が身元引受人の立場を担うものです。


(6)家賃保証契約

賃貸アパートの新規入居や契約更新にあたり、入居者が家賃を滞納した際に入居者に代わって家賃を立替払いする連帯保証人の立場を民間事業者にお願いする契約です。


(7)遺言

自分の死後、自分の財産を誰にどのように遺すかを指定するものです。遺言内容を実現する業務を担う遺言執行者を遺言書の中で指定しておくのが一般的です。


(8)遺贈寄付

相続人がいない場合や、相続人には財産を全部または一部でも渡したくないという場合も考えられます。

何か手立てをしておかないと相続人がいない場合には、遺産は国庫に入ってしまいます。財産を死亡後に寄付を行うようにすることで国庫金に入らないようにすることができます。

お世話になった自治体や施設などをはじめ、社会貢献として寄付したいところに寄付することができます。遺贈寄付の内容を遺言書に記載しておくケースが多数です。



これらのサービスに潜む注意点・リスクとは?


(1)見守り契約

見守り契約と言っても、その目的・役割は大きく2つに分かれます。


一つ目は、任意後見契約を適切なタイミングで発動できるように、定期的に本人の健康状態・判断能力の有無をチェックするという目的です。

主に認知症が発症・進行して健康面・衛生面・財産管理等に支障が出ないかをチェックするという役割を果たします。この目的で締結する見守り契約は、任意後見契約とセットで行うことが多くなります。


二つ目は、独居で生活する高齢者が、居室内で倒れて発見が遅れるようなリスクに備える目的です。直接的な生命の危機に対処できるような備えの役割です。

この目的で見守り契約を締結する場合、毎月1回から数回程度の見守りで適時適切な対応に繋げられるかどうかは疑わしい問題となります。

本人の生命の危機にしっかりと対処することを考えると、人感センサーをトイレ等に設置して、24時間365日の異常事態に対応できる警備会社等の見守りサービスも選択肢に入れるべきかもしれません。


(2)財産管理委任契約

不動産の管理委託契約を締結しても、賃借人とのトラブル対応(家賃滞納などに対する法的手段の実行)については、不動産所有者でないと対応できない場合も多いようです。

管理委託契約で何ができて何ができないのか、そのための委託報酬(費用対効果)は適正かどうかを検証することも必要となります。


金銭管理についての契約では、適切な支出、適切な管理がなされているかは本人がチェックすることになります。

本人がチェックできないような健康状態になれば、本来は速やかに任意後見に移行した上で金銭管理の契約を終了する必要があります。

この点で悪質な業者の場合だと、本人の判断能力が低下しているのを把握しておきながら、意図的に任意後見を発動させずに敢えてこの金銭管理の契約を継続させ、チェック機能の働かないブラックボックスの中でずさんな金銭管理(使途不明な支出や金銭の流用など)を実行するケースがあると聞きます。


(3)任意後見契約

本人の判断能力の低下を受け、必要なタイミングで家庭裁判所に申立てをして、任意後見を発動させることになります。

独居生活している方は、任意後見の発動時期を見誤らないように、見守り契約とセットで契約することが多いです。

もし体調不良・判断能力の低下など本人に生じた異常を介護ヘルパーや友人知人が気づいた場合に、その人からスムーズに任意後見受任者に連絡が入るような仕組み作りが必要です。


(4)死後事務委任契約

納骨に関しては死後事務を担う第三者が存在していても、祭祀・墓地使用権を引き継ぐ親族(承継者)がいない場合には、納骨を拒むお寺・墓地があるといいます。

あらかじめ死後事務の受任者が納骨・永代供養の手続きをすることが可能かどうかを確認しておくことは重要になります。

死後事務委任契約に基づく報酬や実費の支払については、本来は遺産の中から、実際に仕事をした後において、遺言執行業務の中で支払い・精算をすべきと言えます。将来の死後事務に関する報酬や実費を今から事業者が預かっておくという事業者も多いですが、その事業者の倒産リスクや持ち逃げリスクを考えるとリスクがあります。


(5)身元保証契約

身元引受人となった民間事業者が適時適切な対応をしなければ、本人が希望する施設への入所・転所手続きができなくなる可能性がありますし、スムーズな入院・転院・退院の手続きが滞る可能性もあります。

また、病院を転院したり施設を移転する度に、身元保証料を追加で支払わなければならなくなるリスクもあります。

任意後見契約を締結しないで、身元保証契約だけをするというケースは、将来のリスク対策としては不十分といえますので、民間事業者と身元保証契約をする場合は、必ず任意後見とセットで行うことが重要です。


(6)家賃保証契約

家賃保証契約は、不動産オーナーの立場では、家賃を滞納しても、家賃保証会社が代わりに払ってくれるので、家賃収入を確保できるという安心感はあります。

ただし、賃借人の立場では、家賃保証会社から立替金の支払いの請求をされますので、結局家賃の支払義務を逃れることはできません。

場合によっては、家賃保証会社から執拗な督促状が届いたり、家賃保証会社との間で訴訟トラブルに発展する可能性もあります。


(7)遺言

遺言執行者は、個人・法人が誰でもなることができます。したがって、信託銀行等の金融機関は、金融機関自らが遺言執行者に就任するという「遺言信託サービス」を積極的に営業しております。

しかし、金融機関が遺言書の作成サポートをしたり遺言執行者に就任する場合、金融機関として遺言内容や執行業務に制約を受けること(遺留分に抵触する遺言書を作成することは許されないという制約や相続人・受遺者全員が遺言執行者に金融機関が就任することについて同意しないと遺言執行業務に着手しないことがあり得る、など)はあまり知られていないようです。

信頼できる法律専門職(弁護士・行政書士・司法書士など)を見つけることができれば、法律専門職に遺言執行者を任せる方が、制約などを受けずに希望どおりの遺言を作成し遺言内容を確実に実行(遺言執行)してもらえる安心感があります。


(8)遺贈寄付

通常、寄付は現金に限られますが、寄付の受入れ先のなかには「不動産」も可能としているところもあります。

不動産の場合は売却する前提ですが、事前に受入れ先との調整が必要になります。

不動産はもちろん、現金の場合もあらかじめ、寄付の受入れ先との調整が必要なケースは多いですので注意が必要です。

こうした遺贈寄付のコーディネート役を「承継寄付診断士」が行います。当職は承継寄付診断士の資格を保有していますので、安心して「遺贈寄付の相談」に応じることができます。


また、遺贈寄付を実現するためには、自分の希望どおりの寄付を盛り込んだ有効な遺言を作成し、寄付内容を確実に実行してもらうことが必要です。

遺言の部分でも書いていますが、信頼できる法律専門職(弁護士・行政書士・司法書士など)にお願いすることが出来れば安心につながります。



ご相談は「ディアパートナー行政書士事務所」へ


当職は、成年後見制度の成年後見人として「財産管理」や「死後事務委任」などを行っている実績もあります。そうした経験から「お一人様」のお悩み相談に、真摯に対応させていただきたいと考えております。


身寄りのない高齢者向けサービスについても、生前、しかも意思判断能力があるうちでないと対策することができません。お元気なうちに対応を検討し、準備を済ませておくと安心です。


ディアパートナー行政書士事務所では、「お一人様」、そして予備軍である「お二人様」向けのご相談についても真摯に対応させていただきますので、相続対策全般についてお気軽にご相談ください。


ご自宅への訪問やサザンガク(下のチラシを参照)でも面談に対応しています。また、土曜日・日曜日、時間外の対応も行いますのでお気軽にお問い合わせ下さい。


また、ディアパートナー行政書士事務所では、月イチで「認知症・相続関連セミナー」を開催しています。向こう3カ月の予定は以下のとおりです。


○「認知症・お一人様向けセミナー」

10月28日(土)10時~11時30分  長野県松本市勤労者福祉センター


○「認知症・お二人様向けセミナー」

11月25日(土)10時~11時30分  長野県松本市勤労者福祉センター 


○「認知症・相続対策セミナー」

12月23日(土)10時~11時30分  長野県松本市勤労者福祉センター


セミナーは参加料1,000円(1人または1組)で、事前申込みが必要です。


参加申し込みは、以下の電話や電子メールで受け付けています。このホームページの「お問い合わせ」からのお申込みでもOKです


ディアパートナー行政書士事務所 電話:0263-34-6163

                電子メール:info@dp01.co.jp




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