みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
当事務所が業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社の運営する家族信託Web「スマート家族信託」コラムを参考に、家族信託や生前の相続対策について考えていきます。
○トリニティ・テクノロジー株式会社運営Web「スマート家族信託」↓
家族信託を活用すると、「相続時の遺留分回避に使えたり、遺留分がなくなってしまうのでは?」という話(都市伝説(笑))があります。
これが本当ならすごいことですよね。
そして過去には、実際に一時期は一部の実務家の方々によりそのように言われていました。
では、本当のところはどうなのでしょうか?
今回は「家族信託で遺留分がなくなるって本当?」をテーマにブログします!
相続時の遺留分回避に使えたり、遺留分がなくなってしまうのか?
この話(都市伝説?)は、受益権は信託契約から生じるものであって、それを承継させることは相続法のルールではない権利を承継させるものになるため、そもそも相続財産に当たらないのではないかということを根拠にしています。
わかりやすい話でいいますと、死亡保険金は保険契約から生じる給付金であり、相続税の計算上はみなし相続財産となりますが、法律上の相続財産ではありません。
そのため、原則として遺留分の請求の対象とはなりません。
では信託の受益権も同じように扱われるかというと、実務上は否定する見方が一般的です。
「1回目の承継」では、遺留分は生じる!
例えば、Aの財産を、信託契約によって、残余財産または受益者連続型の受益権としてC(長男)に承継させた場合、D(次男)からCに対して遺留分の請求ができるでしょうか。
答えは、基本的には当然遺留分請求の対象になります。
平成30年9月に出された家族信託の一部無効判決のケースも、C・D間でDは遺留分請求権を持つという大前提に立った上での判断でした。
以上のように「1回目の承継」では、遺留分は当然生じるという結論です。
この都市伝説は、平成30年9月前に語られていたものかもしれませんね~
「2回目以降の承継」について遺留分は発生し得ない
そして、注目すべきは「2回目以降の承継」です。
ここについて遺留分がどうなるかという論点が今回のメインテーマです。
例えば、Aが委託者、孫であるG(次男の子)が受託者、最初の受益者もAとします。
Aは財産を直系男子に継がせたい意向をもっており、次の受益者をC(長男)、Cに子がいないため、その次の受益者をGとしました。これが後継遺贈型の受益者連続の信託といわれるものです。
この場合、相続税については、Aの死亡によりCに受益権が移った時点で相続税が課税されます。さらにCの死亡によりGに移った時も同じく課税されます。
ここまでは異論はないかと思いますが、問題は遺留分の考え方です。
さきほどお伝えしたように、1回目の承継(AからC)の時には、通説的見解として遺留分請求権が生じます。
そのあと、2回目の承継(CからG)の場合、本来であればCの妻が遺留分請求権を持つことになります。
しかし、後継遺贈型の受益者連続の信託を組成した場合には、2回目以降の承継について遺留分は発生し得ないというのが通説的な見解です。
信託契約の意思表示はあくまで委託者が行っている
そのロジックは以下のとおりです。
信託契約は法律行為であり、意思表示はあくまでAが行なっています。
自分の財産を誰に承継させるかということを、A自身が決めているわけです。
法律では意思主義をとりますから、意思を表示した人を起点として財産は承継されているという風に考えます。
そのため、2回目の承継ではCからGに移ったわけではなく、GはAから時空を超えて未来の受益権を取得したと考えることになります。(不思議ですね~)
実際に司法でどう判示されるかはわからない
実際にCの妻からGに対して遺留分請求がされたときに、結果的に司法でどう判示されるかはわかりません。
明らかに遺留分回避目的の信託であると事後的に認められると、公序良俗に反して無効ということにもなり得ますので、そういった目的には用いないでください。
今回の話は、信託法に明記されているわけではありませんが、信託法の立法担当者である寺本昌広先生が書かれた「逐条解説 新しい信託法」(商事法務)という書籍の260ページに記載があります。
判断の根拠と知る司法判断がないということですね。「家族信託」がまだ比較的新しい制度なので仕方がありませんが、現在考えられる最も安全な手法で信託組成していくのが最善ではないでしょうか。
そもそも、家族信託って何?
新しい財産の管理手法として近年、注目されている家族信託の概要は、当事務所で作成した動画(約20分間)をご覧ください。その仕組みが一発で理解できます! ↓
まとめ
家族信託を活用すると、1回目の承継では遺留分は発生しますが、2回目以降の承継では遺留分は発生し得ないということがわかりました。
しかしながら、あくまでもこれは通説的な見解であるため、結果的に司法でどう判示されるかはわかりません。(司法判断を待つことになります)
明らかに遺留分回避目的の信託であると認められれば無効にもなり得ますので、そういった目的には用いないでください。
まだ、司法判断も整っていないほど「家族信託」は比較的新しい制度です。したがって、制度に詳しい専門家も全国的に少ないのが現状です。
ディアパートナー行政書士事務所では、国内有数の家族信託実績を有する企業(トリニティグループ/トリニティ・テクノロジー株式会社)と業務提携しながら作業を進めますので、安全安心な全国トップ水準のサービスをご提供することが可能です。また、アフターサポートも業務提携先と連携し、万全な体制で対応することが可能です。
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