
長野県松本市で「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
当事務所が業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社の運営する家族信託Web「スマート家族信託」コラムを参考に、家族信託や生前の相続対策について考えていきます。
○トリニティ・テクノロジー株式会社Web↓
認知症対策の一手法として注目されるようになってきている「家族信託」ですが、今回は費用面について、どのくらいかかるのかご一緒に考えていきましょう。
まずは「家族信託」に関する7分間動画がありますのでご視聴ください↓
家族信託は 「認知症による資産凍結」を防ぐ機能を併せ持つ法的制度で、2016年頃から注目を集め始め、年々その利用者が増加しています。
多くの方に知られるようになってきた家族信託ですが、やはり家族信託を検討するときに気になることと言えば、 どれくらい費用がかかるかという点についてではないでしょうか。
家族信託では手続き上の実費や登記関連の費用のほか、専門家へのコンサルティング報酬など、一定の費用が発生します。
家族信託にかかる費用は?
家族信託にかかる費用としては具体的に
① 家族信託の内容を決定するためのコンサルティング費用
② 家族信託契約書の公正証書作成費用
③ 不動産がある場合の登記関係費用
これらの費用が必要となります。
費用内訳としては、通常、 ①の専門家へのコンサルティング費用が最も高くなります。
家族信託は契約書にサインをすれば終わり、というものではありません。財産管理・承継を最適にかつ安全に行うために、家族信託の契約に向けては多大な専門家の実務が発生するため、コンサルティング費用が必要となってきます。
とはいっても、おおよそ家族信託にかかる費用は、一般的なものとしては30〜70万円程度です。この費用について一見高額に感じるかもしれませんが、家族信託でまとまった金額がかかるのは初期費用の段階です。
実際に家族信託がスタートしたあとは、基本的に大きな費用が発生することはありません。
1 相談・コンサルティング費用
家族信託は必ず専門家に相談しなければならないわけではありません。
しかし、専門家が関与することなく、
①家族全員の希望に沿った内容で(将来的なご家族の争いを法的に回避)
②且つ法的に有効な信託契約を作成し(後から契約を無効と判断されるリスクの回避)
③税務面でも不利でないものとする(本来支払う必要がない税金がかかるリスクの回避)
この①~③を専門的な知見なしで行うことは、非常に難しいと言えるでしょう。
コンサルティング費用がいくらかかるかは専門家によってまちまちですが、一般的には信託財産の1%程度というのが目安です。信託財産がトータル3,000万円であれば、コンサルティング費用として30万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
2 公正証書で契約書を作成する費用
現在、家族信託契約のほとんどが公正証書で作成されています。公正証書にすることで、法的に有効な契約であることを担保することができます 。
また、家族信託した財産を預ける「信託口口座」を開設する金融機関でも、公正証書で作られた契約書の提出を求められることがほとんどです。
公証役場で公正証書を作成するには、一定の費用がかかります。
① 専門家への費用:公証役場との具体的な手続きを依頼する費用など
② 公証役場に支払う手数料
具体的にはこの2種類があります。
①は、公証役場との打ち合わせ等を自力で行うことは難しいため、専門家に依頼するのが一般的で、相場としては数万円ほどになります。
②の公証役場に支払う実費については、信託財産の総額や契約の内容によって異なりますが、約3〜10万円です。実費部分は信託財産が多くなるほど高額となります。
3 登記関係の費用
信託財産に不動産が含まれる場合には、不動産登記の手続きが必要となります。
不動産の名義を委託者(親)から受託者(子)に書き換えることで、その不動産が信託財産であることを明示(登記)しなければなりません。
この登記に関する費用は、
①司法書士に登記申請の手続きを依頼する費用
②国に納める登録免許税
の2種類があります。
①について、費用の相場は不動産の数などによって大きく異なりますが、5万円〜30万円などを想定しておくとよいでしょう。
②は、登記をする際に発生する税金です。信託の登記にかかる登録免許税は、信託財産となる不動産の固定資産税評価額を使って計算します。
家族信託と成年後見制度はどっちが安い?
家族信託制度とよく比較されるものとして、国(法務省)が提供している成年後見制度があります。初期費用は、家族信託よりも成年後見制度の利用の方が低くなります。
しかし成年後見制度には継続的な報酬費用が発生するため、トータルで支払う費用を比較すると、家族信託の方が費用が押さえられる結果となることが多いと言えます。
成年後見人は裁判所が選定し、弁護士や司法書士、社会福祉士、行政書士などの専門家が選ばれるケースが約8割です。そうなると専門家後見人への報酬が必要となるため、報酬額も高額になる傾向にあります。
こうした専門家が後見人に選任された場合の報酬は毎月2〜6万円程度となりますし、後見制度はひとたび利用を始めると、原則途中で止めることができません。
認知症等の判断能力を起因とする後見制度がスタートすると、判断能力の回復時点まで後見制度は続くため、実質的に本人死亡まで後見制度の利用と専門家報酬の支払いが続くことになります。
例えば月額3万円の報酬を5年間支払い続けると、180万円ものランニングコストが発生します。しかも、認知症発症からの平均余命は7~10年程度ですので多額のランニングコストがかかる可能性があります。

家族信託と成年後見のどちらを使うべきか?
高齢者の財産を本人以外が管理するには、家族信託と成年後見制度があります。
よくある疑問として、成年後見制度を利用する場合であっても、身内が後見人になれば報酬費用も掛からないのではないか?というものがあります。
しかし統計を見てみると、専門家の後見人の就任割合が全体の約8割を占めていますので、身内が後見人に選任される可能性はけっして高くはありません。
判断能力がしっかりしている状態の方が、将来判断能力を失ってしまったときに備えて、あらかじめ後見人になってもらう人を選んでおく 「任意後見」であれば、家族が後見人になれる可能性は比較的高くなります。
しかし、既に認知症を発症してしまった方に後見人を付けるための「法定後見」なら、家族が後見人に就任することは極めて難しいといえます。仮にご家族が後見人に就任できたとしても、ご家族の負担は決して軽くはありません。
家族信託は、財産を信頼できる家族に託す制度なので、専門家に財産を託す場合と異なり、基本的に毎月報酬などの費用がかかるようなことはありません。
ただし、受託者を監督する立場の「信託監督人」を設置して、その監督人を専門家に依頼する場合には、この信託監督人に支払う報酬が発生する場合があります。
専門家に相談したい場合の相談料は?
信託開始後、不動産所得や事業所得があると、疑問点などが出てきて専門家に相談したいケースもあるでしょう。
そのような場合には相談料等が発生する場合があり、弁護士であれば1時間10,000円程度、行政書士や司法書士、税理士の場合であれば1時間5,000円程度が目安となります。
相談だけにとどまらず、たとえば信託契約書の内容を変更するなどという場合には、10万円程度の費用が追加でかかることが想定されます。
コンサルティング費用をかけないという選択肢は?
家族信託の内容などについて専門家に相談して設計してもらうためのコンサルティング費用を節約する方法はあるのでしょうか。
専門家に依頼をせずに自分で信託契約を済ませる方法ですが、自分だけで専門的な信託契約の内容を全部取り仕切るのには大きなリスクがあります。信託契約は複雑な部分もあるため、法的に有効で過不足のない内容を個人が設計したり手続きを完了させるのは非常に困難です。
また、家族信託自体が近年登場したばかりの制度ですので書籍やネット上でも情報が少なく、信託契約の手続きを進めた後で問題点やトラブルが出てくる可能性もあります。
法的な部分、税務上の注意点もありますので、できるだけ家族信託に詳しい専門家に相談の上で、精度高く組み立てていくことが大切だといえます。
専門家の選び方は?
家族信託はまだ新しい制度であるがゆえ、専門家の能力は個人差が非常に大きく、専門家の力量や熟練度合いに大きな差があるといわれています。
家族信託や相続についての実績や知識があり、他士業や関連事業者とも連携が図られていて親身に相談に乗ってくれる専門家を選ぶことをおすすめします。
家族信託をはじめ相続対策のご相談はディアパートナー行政書士事務所へ
家族信託は比較的新しい制度であるため、たとえ法務系士業(弁護士、行政書士、行政書士)や税理士であっても、制度に詳しい士業は極めて少なくいため、実績のある専門家にご相談することをおすすめします。
ディアパートナー行政書士事務所では、国内有数の家族信託実績を有する企業(トリニティグループ/トリニティ・テクノロジー株式会社)と業務提携しながら作業を進めますので、安全安心な全国トップ水準のサービスをご提供することが可能です。
また、当事務所は「後見人」になることのできる行政書士としても登録されていますので、成年後見制度についてのご相談にも対応することが可能です。
帳簿作成などの信託事務もサポート!
家族信託は信託法に基づく法的制度であるため(信託法37条)、受託者(財産を管理する人)に帳簿作成・領収書保存・年度報告書類の作成など(信託事務)が義務付けられています。
受託者にとって非常に面倒な信託事務の負担を軽減するため、当事務所が導入している「スマート家族信託」では日本初の家族信託専用アプリを提供しています。

アプリを通じて銀行口座の情報を自動で読み取れるなどのほか、専門家にもいつでも相談することができます。
このように家族信託組成後のアフターサポートに関しては、スマホアプリで簡単に信託財産の管理を行うことができる「スマート家族信託」を導入していますので、家族間での管理状況の共有や関係帳簿の簡単な作成を行うことができます。
スマート家族信託のご紹介動画はコチラ↓
スマートフォンで簡単に信託財産の管理を行うことができる「スマート家族信託」は、当事務所と連携しているトリニティ・テクノロジー株式会社が提供しているサービスで、全国初・唯一のサービスです。

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