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家族信託のデメリットは?

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。


業務提携しているトリニティ・テクノロジー株式会社の運営する家族信託Web「スマート家族信託」コラムを参考に、家族信託や生前の相続対策について考えていきます。


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まずは、新しい財産の承継手法や認知症対策として、今注目を集めている「家族信託」を「20分簡単動画」にまとめてありますのでご覧ください! ↓


家族信託のデメリットとは何でしょうか?


近年マスコミで取り上げられることが増えつつある家族信託ですが、必ずしも良いことばかりではありません。受託者に課せられる義務や税制面での扱いなど、利用にあたって注意しなければいけないポイントがあるのも事実です。今回の投稿では気になる家族信託のデメリットについてお話ししていきます。


家族信託とは? 仕組みとメリットを簡単に解説


家族信託のデメリットを解説する前提として、家族信託のメリットについて簡単に触れておきましょう。「信託」とは財産を信じて託すことです。

つまり家族信託とは “あなたの財産の管理を家族の誰かに信じて託すこと” を意味します。


「契約書(家族信託契約書)に、あなたが願う財産の処分や管理の仕方を記載しておき、指名した家族の誰か(=受託者)がその内容に沿った管理をする」

これが家族信託の基本的な仕組みです。


家族信託を利用すると

○ 効率的な介護費用の捻出

○ 二代以上先まで財産の行方の指定

○ 認知症発症後の相続税対策の継続

など、遺言や成年後見では対応が難しかったことも実現できます。


「遺言や成年後見制度よりも格段に自由度が高い。」それが家族信託の大きなメリットになります。


ただし家族信託にはメリットだけではなく、当然のことながら、実はデメリットも存在します。万能と絶賛されることの多い家族信託の仕組みですが、やはりデメリットと考えられるポイントもあります。


家族信託のデメリット


家族信託のデメリットは以下が考えられます。

○ 受託者の承諾が得られない可能性がある

○ 受託者の義務が意外と重い

○ 受託者が仕事をしてくれない不安がある

○ 委託者・受託者だけで契約が成立してしまう

○ 身上監護ができない(成年後見制度では身上監護もできる)


1)受託者の承諾が得られない可能性がある


家族信託は財産を託す人(=委託者)と託される人(=受託者)がいてはじめて成り立つものです。ですから、いくらあなたが家族信託を利用して家族に財産の管理をまかせたいと望んでも、受託者のなり手がいなくては家族信託は成り立ちません。


家族信託をしたいけれど、信頼して財産を託したいと思った家族に掛け合ったところ、残念ながら承諾を得られなかった。こういったケースも多いのは事実です。

承諾を得られない理由は様々ですが、その理由の一つに「信託」という言葉の持つイメージがあります。


家族信託に馴染みのない一般の人が“信託”と聞くと、どのようなイメージを抱くでしょうか?

おそらく多くの人は「投資信託」が思い浮かぶのではないでしょうか。

家族信託と投資信託は全く別の話なのですが、投資という言葉が一人歩きしてまうと、投資=怪しい=お年寄りを騙す…どうしてもこの図式にハマってしまいます。


家族信託は投資信託とはかけ離れたものですし、ちゃんと話をすれば、少なくとも投資信託とは別物であるということを伝えるのはそこまで難しいことではないのですが、「家族ゆえに」そのような誤解が解けないまま話が進まなくなってしまう、ということもあるのです。

とても難しい問題ですが、受託者の承諾が得られないことには話が進まないので、コミュニケーションを重ね、理解してもらうよう努力する他ないでしょう。どうしても承諾を得られないのであれば、信託銀行や信託会社に依頼して、家族信託をあきらめ商事信託を選ぶのも一つの方法です。


また、家族間のコミュニケーションだからと侮らずに、あえて初めから専門家を交えて、専門家からしっかりと説明してもらう、という方法もあるでしょう。


2)受託者の義務が意外と重い


家族信託については、どうしても先立つ人の希望や願いといった、委託者側の気持ちに重きをおいて話をされることが多くなってしまいがちです。しかし財産の管理を託される人、つまり受託者の立場も考えることが大切です。

というのも家族信託が成立すると、受託者には通常とは違った特別な義務が課されるからです。家族といえども仕事として財産の管理をまかされるわけですから、自分の財産よりもさらに高い注意を払って管理する必要がでてきます。


受託者の具体的な義務には以下のようなものがあります。

・善管注意義務

・忠実義務

・分別管理義務

・信託事務を第三者に委託する際の選任・監督義務

・帳簿等の作成・報告・保存義務


信託の目的にしたがって常識の範囲内の管理をしていれば、これらの義務に違反することはそうそうないでしょう。しかし分別管理義務や帳簿等の作成・報告・保存義務を果たすには、それなりの手間を要するので注意が必要です。


財産を託された以上、受託者にはそれなりの管理義務が課されます。

家族信託を円滑に進めるためには、単に受託者になる了解を得るだけでは不十分です。受託者には特別な義務が発生することもしっかりと伝え、話し合う姿勢が大切です。

そうでなければ家族信託をすることで、かえって相続人の間にトラブルを生じさせる結果を招きかねません。それでは本末転倒です。


(注釈1)分別管理義務

分別管理義務とは、受託者自身の財産と委託者から託された財産を、それぞれ分けて管理しなければならない義務のことです。

たとえば金銭なら信託財産用に別口座をつくり管理するのが一般的です。そうしないと自分のお金と家族信託でまかされたお金の区別がつかなくなってしまうからです。


また、不動産を信託した場合には、その旨を登記しておかなければなりません。

登記は通常司法書士に依頼します。手続きには司法書士の手数料、登録免許税といった費用がかかります。


特に、登録免許税は不動産の評価額に応じて課税されるもので、不動産の価値が高いと、それだけこの金額も高くなります。(税率は不動産の評価額の0.4%とされています。)


(注釈2)帳簿等の作成・報告・保存義務


年に一度、信託財産について賃借対照表などの必要書類を作成し、その内容を受益者に報告しなければならない義務です。作成した書類は10年間保存する必要もあります。


3)受託者が仕事をしてくれない不安がある


前述しているとおり家族信託における受託者には特別の義務が課されます。

しかし、その義務がきちんと全うされるか否かはまた別の話です。

信じて仕事を任せたのですから義務違反などあろうはずがない、そう期待したいところです。ですが、ものごとに絶対はありません。


委託者本人が存命中であれば自ら受託者をコントロールできますが、意思能力を喪失してしまったあとや亡くなってしまったあとに義務違反をされた場合は困りものです。

そこで受託者が適切に仕事をしてくれない事態に備えて、家族信託は受託者を見張る制度を用意しています。具体的には信託監督人や受益者代理人がこれにあたりますが、こちらについては後ほど解説します。


4)委託者・受託者だけで契約が成立してしまう


家族信託は委託者と受託者の二人がいれば契約が成立してしまいます。

相続発生後に行われる遺産分割協議であれば相続人全員の同意が必要になるところ、家族信託は、相続人全員の了解を得ずとも相続財産について話を進めることができるのです(被相続人が存命中に遺産の流れについて決定する点は、遺言の作成に近いですね。)。

これは一見メリットのようにも思えますが、実際にはトラブルに発展しやすい特徴ともいえます。なぜならば、自分の知らないところで勝手に話を進められたと、腹を立てる相続人もいるからです。


遺言であれば、被相続人が単独で作りますが、家族信託は委託者と受託者(相続人のうちの一人)が共同で作りますから、遺言とは他の相続人の捉え方も全く異なることになります。

家族によっては、本来自分が得られたであろう財産を奪われたと感じる人もいるでしょう。このあたりの心情を考慮しないで家族信託の話を押し進めると、遺留分侵害などの相続争いに繋がる原因となります。

すなわち、家族信託をするにあたっては、受託者はもちろんのこと、受託者以外の家族全員の了解も得ておくのが理想なのです。


5)身上監護ができない


家族信託はあくまでも財産の管理を託すことができるのであって、(法的な)身の上の監護は託すことができません。

すなわち、家族信託を用いても、本人の代わりに住居の契約を交わしたり、介護サービスや入所施設の契約を交わすことまで任せることは難しいのです。

身の上の監護、つまり福祉にまつわるあれこれを本人の代わりにさせたいときは、家族信託ではなくて、成年後見制度が適しています。


家族信託はよく「自由度が高い、柔軟な設計、無限の可能性を秘めている」といった評価をされることがあります。しかし、それらはあくまで“財産の管理”においての話であって、生活環境を整える身上監護についてはまた別の領域になりますので、要注意です

ただし、実際問題としては、上記のような契約行為は、家族や親族がいれば、その家族や親族が代わりに手続きを行うことで、後見制度を使わずともクリアできる場合も多くあります。


家族信託のデメリットを解消する方法(まとめとして)


前述で解説したとおり、万能との呼び声の高い家族信託であっても、やはりデメリットは存在することをご理解いただけたかと思います。

では先に挙げたデメリットを解消する方法はあるのでしょうか?


まず身上監護の問題については、家族信託ではなく(あるいは家族信託と併用して)、成年後見制度を利用することで解消できます。

成年後見制度であれば、後見人が本人に代わって老人ホームや介護サービスの利用の契約を本人に代わって行うことができるのです。


次に受託者がきちんと仕事をしてくれるかどうかの不安ですが、こちらも信託監督人や受益者代理人を選任することで、ほぼ解消されるといっていいでしょう。

信託監督人や受益者代理人は簡単にいえば、受託者が財産を管理する義務を適切に果たしているか否かをチェックさせる人員のことを指し、信託契約を交わすときに予め設置しておくことができます。


孫のための教育資金を息子に託したいけれども、もしかしたら息子が個人的な用途に使い込んでしまうかもしれない…このようなケースでは、チェック機関として信託監督人や受益者代理人を置くことをおすすめします。


さて、ここまでくると、最後の問題は、受託者及び受託者以外の家族の了解を得られるか否かの点です。


遺言であれば、財産の行方をすべて一人で指定できるのに対して、家族信託はそうはいきません。家族の理解を得られてはじめて、家族信託のメリットが活かされるのです。

特に受託者については、承諾を得られないと家族信託の契約そのものが成立しないので深刻です。受託者は原則無報酬で財産を管理し、それにともなって派生する帳簿等の作成・報告・保存義務などを守る必要がありますので、受託者になんてなりたくないと思われても仕方のない側面があります。


無報酬の点については、契約で別に定めれば受託人に報酬を与えることもできます。ただし、あまりにも高額の報酬は、最悪、税金逃れの疑いをかけられるリスクがあります。そうでなくとも受託人に報酬を与えると、それをよく思わない家族が出てくるかもしれません。

この問題を解消するには、結局のところ、家族とのコミュニュケーションを重ねる以外にないのが正直なところです。家族信託の制度そのものを理解してもらうのも大切ですが、もっと根本的な話として、委託者は、自分が認知症になった場合、あるいはこの世を去った場合に、残された家族にどうしてほしいのか、自らの希望を伝え、理解してもらうことが重要です。制度や法律の問題でなく、感情や気持ちの問題です。


そのうえで自分の想いを実現するためには、家族信託を利用するのがベストな選択なのだということを説明をするのが良いでしょう。逆にここを明確に説明できないのであれば、家族信託の利用価値そのものを疑うべき余地がでてきます。


もちろん家族信託を利用すべきか否かの判断は、法律や税の問題も絡んでくるため、弁護士や司法書士、行政書士や税理士などの専門家の助言・アドバイスを受けることも有効です。

家族信託を進めるにあたって家族の理解を得るのは、時として大変な労力を要します。専門家のアドバイスを参考にしつつ、時間をかけてでもコミュニュケーションをはかることが大切になってきます。


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